HR陽性HER2陰性進行乳がんの初回治療をCTCで決定する:STIC CTC試験
Efficacy of Circulating Tumor Cell Count-Driven vs Clinician-Driven First-line Therapy Choice in Hormone Receptor-Positive, ERBB2-Negative Metastatic Breast Cancer: The STIC CTC Randomized Clinical Trial
背景
ホルモン受容体陽性、HER2陰性の進行乳がんに対しては内分泌療法と化学療法の二つの選択肢があり、状態が悪い患者では化学療法が推奨されているが、リキッドバイオプシーによる治療決定は可能か。フランスUVSQ and Paris-Saclay UniversityのBidardらは、閉経前・閉経後のHR陽性HER2陰性進行乳がん女性を、主治医選択または血中循環腫瘍細胞数(CTC)に基づく選択(CTCが5 CTCs/7.5 mL以上であれば化学療法)の2群に割り付ける第3相ランダム化非劣性試験STIC CTCを実施した(n=778)。
結論
プロトコル準拠集団(n=755)のうち、CTC群では37%、主治医選択群では27%が化学療法を受けた。無増悪生存期間の中央値はCTC群15.5ヵ月、主治医選択群13.9ヵ月であり、CTC選択の非劣性が示された。
評価
CTCは進行乳がんの生存期間を強力に予測することが示されている。この試験はCTCに基づく治療選択により化学療法の選択が増加し、PFSについてCTCガイドが主治医による治療選択に劣らないことを実証した。CDK4/6阻害薬の登場以前に開始された試験であり限界はあるが、CTCの有用性を印象付けた。


