Linked Color Imaging法で上部消化管の腫瘍検出が容易に:LCI-FIND試験
Linked Color Imaging Focused on Neoplasm Detection in the Upper Gastrointestinal Tract: A Randomized Trial
背景
内視鏡検査での病変見落としを最小限にするため、NBIやBLI、linked color imaging(LCI)などの画像強調技術が登場している。日本Hokkaido University Hospital(北海道大学病院)のOnoらは、消化管がん歴を有し上部消化管内視鏡サーベイランスを行う患者を、白色光画像(WHI)観察の後LCI観察を受ける群と、LCIの後WHIを受ける群へと割り付ける多施設ランダム化比較試験LCI-FINDを実施した(n=1,502)。
結論
最初の観察において腫瘍性病変が認められた患者は、LCI群で8.0%、WLI群で4.8%であった(リスク比1.67)。二度目の観察において最初の観察で見逃された腫瘍性病変が認められた患者は、LCI群で0.67%、WLI群で3.5%であった(リスク比0.19)。
評価
咽頭から胃までの内視鏡観察で、白色光観察よりも多くの腫瘍性病変を検出した。他の画像強調観察との比較が問題となるが、LCIはNBIよりも遠距離からの画像強調が可能とされる。