成人がんサバイバーの二次原発がんリスクは:アメリカ150万人の調査
Association of First Primary Cancer With Risk of Subsequent Primary Cancer Among Survivors of Adult-Onset Cancers in the United States
背景
近年がんの予後は大きく改善し、多くの患者はがんサバイバーとしてその後の人生を生きることになるが、がんは治癒した後も長期的な影響を残す。American Cancer SocietyのSungらは、Surveillance, Epidemiology, and End Resultsレジストリ12件において、1992-2011年に一次原発がんの診断を受け5年以上生存した20-84歳のがん患者の二次原発がんリスクを定量化した(n=1,537,101)。
結論
11,197,890人年のフォローアップ期間中に、156,442件の二次がんがあり、88,818名が二次がんにより死亡した。一般集団と比較して、男性サバイバーでは30種の一次がんのうち18種について二次発がんリスク増加、27種で二次がん死亡リスクの増加が認められた。女性サバイバーでは31種のうち21種の二次発がんリスク、28種の二次がん死亡リスク増加が認められた。標準化罹患比が最も高かったのは男女とも喉頭がんで、標準化死亡比が最も高かったのは男性で胆嚢がん、女性では喉頭がんであった。二次がん罹患・死亡リスクの多くの部分は、喫煙ないし肥満に関連する二次がんによって占められていた。
評価
大規模な後向コホート調査により、サバイバーの二次がんリスクに詳細なデータをもたらした。喫煙・肥満に関連する二次がんがかなりの割合を占めており、予防戦略の重要性を強調している。