B-ALLでの同種CAR-T細胞療法が高い活性示す:2件の第1相試験結果
Genome-edited, donor-derived allogeneic anti-CD19 chimeric antigen receptor T cells in paediatric and adult B-cell acute lymphoblastic leukaemia: results of two phase 1 studies
背景
自家細胞からのキメラ抗原受容体発現T細胞(CAR-T)療法は、CD19陽性の再発・難治B細胞性急性リンパ芽球性白血病(B-ALL)に対して高い有効性を示しているが、自家CAR-T細胞の製造には多くの時間と費用がかかる。イギリスKing's College HospitalのBenjaminらは、再発・難治B-ALLの小児(n=7)・成人患者(n=14)においてドナー由来の同種CAR-T細胞製剤UCART19を検証した第1相試験PALLおよびCALMの結果を報告した。
結論
91%でサイトカイン放出症候群がみられ、3名(14%)はグレード3・4であった。他の有害事象としてグレード4の長期血球減少が32%でみられ、治療関連死亡が2件発生した(サイトカイン放出症候群患者の好中球性敗血症、血球減少患者の肺出血)。14名(67%)の患者が、完全奏効または造血機能の回復が不十分な完全奏効を達成したが、リンパ球除去療法でアレムツズマブを用いなかった4名では、UCART19の増殖や抗白血病活性は認められなかった。奏効期間は中央値4.1ヵ月で、奏効患者の71%が同種幹細胞移植に至った。6ヵ月無増悪生存率は27%、6ヵ月生存率は55%であった。
評価
CAR-T細胞療法は目覚ましい効果を上げている一方で、複雑な製法からくる時間・費用が重大な障壁となっている。本研究において、同種由来のoff-the-shelf製剤が有望性を示したことで、将来、CAR-T細胞のアクセス可能性は大きく拡がり得る。