BRCA変異mCRPCで新たなPARP阻害薬rucaparibが有望:第2相TRITON2試験
Rucaparib in Men With Metastatic Castration-Resistant Prostate Cancer Harboring a BRCA1 or BRCA2 Gene Alteration
背景
転移性去勢抵抗性前立腺がん(mCRPC)においては、PARP阻害薬のオラパリブが有効性を示している。Memorial Sloan Kettering Cancer CenterのAbidaらは、1-2ラインのアンドロゲン受容体指向治療とタキサンベースの化学療法後に進行のみられたDDR変異mCRPC患者に対しPARP阻害薬rucaparibを投与した、第2相試験TRITON2のBRCA変異患者のアウトカムを報告した(n=115)。
結論
独立評価または主治医評価による客観的奏効率は、それぞれ43.5%、50.8%であった。PSA奏効率は54.8%であった。BRCAが生殖細胞変異であっても体細胞変異であっても奏効率は同等で、BRCA2変異患者ではPSA奏効率が高かった。好発したグレード3以上の治療関連有害事象として、貧血があった。
評価
BRCA変異mCRPCでの有望な活性と安全性を示し、FDAの迅速承認につなげた。第3相のTRITON3試験がすでに実施中である(NCT02975934)。ほかniraparib(NCT03748641)やtalazoparib(NCT03395197)についても検証が行われている。