進行トリプルネガティブ乳がんでの初回治療、ペムブロリズマブ・化学療法併用でPFS延長:KEYNOTE-355試験
Pembrolizumab plus chemotherapy versus placebo plus chemotherapy for previously untreated locally recurrent inoperable or metastatic triple-negative breast cancer (KEYNOTE-355): a randomised, placebo-controlled, double-blind, phase 3 clinical trial
背景
トリプルネガティブ乳がん(TNBC)は免疫チェックポイント阻害薬が特に期待されている領域であり、ペムブロリズマブは単剤で転移を有するTNBCに対して抗腫瘍活性を示している。スペインInternational Breast Cancer CenterのCortesらは、29ヵ国209施設の局所再発切除不能または有転移TNBC患者を、ペムブロリズマブ+化学療法またはプラセボ+化学療法に2:1で割り付ける第3相ランダム化比較試験KEYNOTE-355を実施した(n=847)。
結論
第2回中間解析において、PD-L1高発現(CPSが10以上)患者の無増悪生存期間は、ペムブロリズマブ群9.7ヵ月、プラセボ群5.6ヵ月であった(ハザード比0.65)。CPSが1以上の患者における無増悪生存期間はそれぞれ7.6ヵ月、5.6ヵ月(有意差なし)、ITT集団では7.5ヵ月、5.6ヵ月であった。グレード3-5の有害事象はペムブロリズマブ群の68%、プラセボ群の67%で発生した。
評価
ペムブロリズマブと化学療法を併用した初回治療により、PFSを有意に延長した。特にCPSが10以上の患者で効果が大きかった。ペムブロリズマブは、TNBCの術前化学療法への追加でもベネフィットを示している(http://doi.org/10.1056/NEJMoa1910549)。