高リスク子宮体がんで化学放射線療法が有効な集団は:PORTEC-3試験での分子分類
Molecular Classification of the PORTEC-3 Trial for High-Risk Endometrial Cancer: Impact on Prognosis and Benefit From Adjuvant Therapy
背景
PORTEC-3試験は、高リスク子宮体がん女性(n=660)において全骨盤照射単独と化学療法・放射線療法併用を比較する第3相多施設ランダム化比較試験であり、化学放射線療法群で無増悪生存率・全生存率が向上することを示している。オランダLeiden University Medical CenterのLeon-Castilloらは、同試験で同意が得られた患者423名の組織サンプルを用いて、子宮体がん分子サブグループが放射線療法・化学放射線療法の予後に与える影響を調査した。
結論
97%で分子解析が成功し、4角サブグループに分類された(p53異常23%、POLE超高頻度変異12%、MMR異常33%、特定の分子プロフィルなし32%)。5年無再発生存率は、p53異常グループで48%、POLE超高頻度変異グループで98%、MMR異常グループで72%、特定の分子プロフィルなしグループでは74%であった。p53異常グループの5年無再発生存率は、化学放射線療法群59%、放射線療法群36%と化学放射線療法で優ったが、他のグループでは化学放射線療法と放射線療法に有意差はなかった。
評価
分子プロファイリングの結果は、高リスク子宮体がん患者において高い予後予測能を有しただけでなく、アジュバント化学放射線療法からベネフィットを得られるサブグループを特定することも可能であった。類似のRCTではGOG 258試験、GOG 249試験が無効結果を示しており、子宮体がんリスク層別化・治療選択におけるこの分子分類の役割は非常に重要なものとなる可能性がある。