先天性異常のがんリスクは成年期まで続く:北欧での症例対照研究
Cancer risk in individuals with major birth defects: large Nordic population based case-control study among children, adolescents, and adults
背景
先天性異常は小児がんのリスク因子となることが知られるが、青年期を越えてリスクを調査した研究はほとんどない。ノルウェーUniversity of BergenのDaltveitらは、北欧4ヶ国の国家レジストリにおいて、1967-2014年に出生したがん症例62,295名と国・生年でマッチングされた対照者724,542名を含む症例対照研究を行い、先天性異常と成年期までのがんリスクの関連を調査した。
結論
がん症例では3.5%、対照群では2.2%が、重大な先天性異常を伴って出生しており、先天性異常のがんオッズ比は1.74であった。染色体異常を伴わない先天性異常の場合、オッズ比は1.54、染色体異常を伴う場合は5.53であった。構造的先天性異常の多くは、同じ臓器系・解剖学的部位のがんと関連した。がんリスクは、染色体異常・非染色体異常とも欠損の数が多いほど増大し、年齢とともに低下した。染色体異常を伴う先天性異常のがんリスクは、小児期のオッズ比11.3から、成年期には1.50まで低下した。
評価
先天性異常の小児がんリスクは確立されているが(http://doi.org/10.1001/jamaoncol.2019.1215)、北欧での本研究はこのリスクが低下しながらも、成年期まで持続することを明らかにした。フォローアップ戦略にとって重要なデータとなろう。


