進行神経内分泌腫瘍(NET)でのSurufatinib、プラセボを大きく上回る:SANET-p試験・SANET-ep試験
Surufatinib in advanced pancreatic neuroendocrine tumours (SANET-p): a randomised, double-blind, placebo-controlled, phase 3 study
背景
進行した神経内分泌腫瘍(NET)に対してはソマトスタチンアナログや化学療法など複数の治療オプションがあるが、これらに加えて血管新生の標的化が有望とされている。中国Chinese PLA General HospitalのXuらは、進行膵臓NET患者に対してsurufatinibまたはプラセボを2:1で割り付ける第3相ランダム化比較試験SANET-pを実施した(n=172)。
結論
中間解析の結果を受けて、試験は早期終了した。無増悪生存期間の中央値は、surufatinib群で10.9ヵ月、プラセボ群では3.7ヵ月であった(ハザード比0.49)。Surufatinib群で多く見られたグレード3以上の治療関連有害事象として、高血圧、蛋白尿、高トリグリセリド血症があった。Surufatinib群の3名が治療中に死亡し、うち1件は治療関連の可能性があった。
評価
VEGFR、FGFR1、CSF-1Rを標的とするマルチキナーゼ阻害薬で、消化管や肺など膵外NETで行われたSANET-ep試験と並んで(https://doi.org/10.1016/S1470-2045(20)30496-4)、有効結果を報告した。各国で承認申請が予定されており、今後はすでにあるエベロリムスやスニチニブとの比較が問題となる。


