MSI-H進行大腸がん初回治療でのペムブロリズマブ:KEYNOTE-177試験
Pembrolizumab in Microsatellite-Instability-High Advanced Colorectal Cancer
背景
ペムブロリズマブは、マイクロサテライト不安定性が高い(MSI-H)またはミスマッチ修復異常(dMMR)の固形がん一般へと適応が拡大されており、大腸がんにおいても通常の化学療法に抵抗性となった患者で有効性を示している。フランスSorbonne UniversiteのAndreらは、遠隔転移を有するMSI-H・dMMR大腸がん患者の初回治療として、ペムブロリズマブと化学療法を比較する第3相ランダム化比較試験KEYNOTE-177を実施した(n=307)。
結論
2度目の中間解析時点でフォローアップ期間は中央値32.4ヵ月で、無増悪生存期間はペムブロリズマブ群16.5ヵ月、化学療法群8.2ヵ月とペムブロリズマブ群で優れた(ハザード比0.60)。奏効率はペムブロリズマブ群43.8%、化学療法群33.1%であり、奏効患者のうち、それぞれ83%、35%が24ヵ月時点で奏効持続中であった。グレード3以上の治療関連有害事象はペムブロリズマブ群の22%、化学療法群の66%で発生した。
評価
第2相KEYNOTE-164試験に続いて(http://doi.org/10.1200/JCO.19.02107)、ファーストラインで化学療法を上回る有効性と安全性を実証した。ただしペムブロリズマブ投与患者でも一定数、早期の進行がみられており、化学免疫療法なども今後の検討課題となるだろう。