迅速ゲノム検査でAML初期治療を精密化:Beat AML
Precision medicine treatment in acute myeloid leukemia using prospective genomic profiling: feasibility and preliminary efficacy of the Beat AML Master Trial
背景
急性骨髄性白血病(AML)には複数の病原性変異が知られており治療の精密化をもたらしうると考えられているが、通常は直ちに治療が開始されるためゲノムプロファイリングの結果は初期治療では利用できない。The Leukemia & Lymphoma SocietyのBurdらによるBeat AML試験は、60歳以上の未治療AML患者(n=395)において次世代シーケンシング・プロファイリングの結果に基づき治療割り当てを行った。
結論
224名(56.7%)がBeat AML試験のサブスタディに登録され、残る171名は103名が標準治療を、28名が治験治療を、40名が緩和ケアを選択した。30日死亡率は、サブスタディ患者で3.7%、標準治療選択患者では20.4%であった。全生存期間は、サブスタディ患者で中央値12.8ヵ月、標準治療患者では3.9ヵ月、緩和ケア患者では0.6ヵ月であった。
評価
高齢AML患者において治療開始を最大7日遅らせる、ゲノムプロファイリングに基づいた個別化治療が安全に実施可能であり、標準治療を上回る成績が期待できることを示した。