進行胃がん初回でのペムブロリズマブは化学療法に優れず:KEYNOTE-062試験
Efficacy and Safety of Pembrolizumab or Pembrolizumab Plus Chemotherapy vs Chemotherapy Alone for Patients With First-line, Advanced Gastric Cancer: The KEYNOTE-062 Phase 3 Randomized Clinical Trial
背景
進行胃がんに対するペムブロリズマブは、二次治療での使用を検討したKEYNOTE-061試験で化学療法との差を示せなかったが、一次治療ではどうか。日本National Cancer Center Hospital East(国立がん研究センター東病院)のShitaraらは、PD-L1複合陽性スコアが1以上の未治療進行胃がん・食道胃接合部がん患者を対象に、ペンブロリズマブ単独、ペンブロリズマブ+化学療法、化学療法単独を比較する第3相多施設ランダム化試験KEYNOTE-062を実施した(n=763)。
結論
フォローアップ期間中央値29.4ヵ月で、PD-L1 CPSが1以上の患者の全生存期間はペムブロリズマブ群10.6ヵ月、化学療法群11.1ヵ月であり、ペムブロリズマブは非劣性であったが(ハザード比0.91)、ペムブロリズマブ単剤の優越性は示されなかった。PD-L1 CPSが10以上の患者では、ペムブロリズマブの全生存期間は化学療法を上回ったが(17.4ヵ月 vs. 10.8ヵ月、ハザード比0.69)、統計的に検定されなかった。ペムブロリズマブ+化学療法は、いずれのPD-L1 CPSサブグループでも優越性を示せなかった。
評価
セカンドラインに続いてこのファーストライン試験でも、ペムブロリズマブの化学療法に対する優位性は示されなかった。胃がんにおける免疫チェックポイント阻害薬は、レゴラフェニブ+ニボルマブやレンバチニブ+ペムブロリズマブなど、分子標的薬との組み合わせを検討する段階に入っている。