BRCA変異若年性乳がん女性の妊娠は安全
Pregnancy After Breast Cancer in Patients With Germline BRCA Mutations
背景
乳がん歴のある女性での妊娠は、ホルモン受容体陽性患者も含め安全と考えられているが、BRCA遺伝子変異乳がん患者でのデータは限定的である。イタリアUniversity of GenoaのLambertiniらは、ステージI-IIIのBRCA変異乳がんと診断された40歳以下の女性における、妊娠可能性・安全性を調査する国際コホート研究を実施した。
結論
1,252名の患者が含まれ、うち195名が乳がん後に妊娠を経験した(10年妊娠率19%)。人工中絶は8.2%、流産は10.3%で発生した。出産にいたった150名のうち11.6%で妊娠合併症、先天的異常は1.8%で認められた。フォローアップ期間中央値8.3年で、妊娠女性と非妊娠女性の無病生存期間(ハザード比0.87)、全生存期間(0.88)に有意な差はなかった。
評価
BRCA変異乳がん女性を対象とした過去最大規模の調査で、BRCA乳がん女性の妊娠は安全で、胎児のアウトカムも良好、妊娠による再発の増加も見られないことを確認した。患者とその家族に大きな希望をもたらすデータである。