初期中咽頭がんでのロボット支援手術は良好な長期アウトカムと関連
Comparison of Survival After Transoral Robotic Surgery vs Nonrobotic Surgery in Patients With Early-Stage Oropharyngeal Squamous Cell Carcinoma
背景
中咽頭扁平上皮がんに対する経口的ロボット手術(TORS)は、アメリカでは2009年に承認されて以降、広く実施されているが、有効性に関する比較データは少ない。Cedars-Sinai Medical CenterのNguyenらは、National Cancer Databaseから得たcT1-2中咽頭扁平上皮がんの後向コホートで、TORSまたは非ロボット手術による根治的手術を比較した(n=9,745)。
結論
2,694名(27.6%)がTORSを受けた。TORSの割合は2010年の18.3%から、2015年には35.5%に増加した。TORSは、低い切除断端陽性率(12.5% vs. 20.3%)、低い術後補助化学放射線療法実施(28.6% vs. 35.7%)と関連した。HPVステータスが判明している患者(n=4,071)では、TORSは全生存期間の改善と関連した(ハザード比0.74)。5年生存率はTORS患者で84.8%、傾向スコアによるマッチングを受けた非ロボット手術患者で80.3%であった。前立腺がん・子宮体がん・子宮頸がんではロボット支援手術が生存期間の改善と関連するという証拠はなかった。
評価
他のがんでは、ロボット支援手術がアウトカム悪化と関連するのではないかという懸念が生じているが、本研究の中咽頭がんではTORSによる生存率改善が示された。前向の検証に期待がかかる。