Ph陽性ALLでダサチニブ+ブリナツモマブによるケモフリーレジメン登場:第2相GIMEMA LAL2116 D-ALBA試験
Dasatinib-Blinatumomab for Ph-Positive Acute Lymphoblastic Leukemia in Adults
背景
フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ芽球性白血病(ALL)の予後はABL TKIの登場によって大きく改善しており、化学療法を用いない治療も検証が始まっている。イタリアSapienza University of RomeのFoaらは、新規診断Ph陽性ALL成人患者(n=63)において、ダサチニブ+グルココルチコイドによる導入療法後、2サイクルのブリナツモマブ治療を行う第2相GIMEMA LAL2116 D-ALBA試験を実施した。
結論
ダサチニブ導入療法終了時点で患者の29%が分子遺伝学的寛解、ブリナツモマブ後には60%まで増加、ブリナツモマブの追加サイクル後にはさらに増加した。フォローアップ期間中央値18ヵ月で、全生存率は95%、無病生存率は88%であった。グレード3以上の有害事象は21件報告され、幹細胞移植を受けた24名のうち1名が移植に関連して死亡した。
評価
Ph陽性ALLにおけるケモフリー戦略がフィジブルであることを実証した。特に高齢の患者にとっては魅力的なアプローチとなりうる。