新規多発性骨髄腫患者でのKRd療法、VRd療法に優れず:ENDURANCE試験
Carfilzomib or bortezomib in combination with lenalidomide and dexamethasone for patients with newly diagnosed multiple myeloma without intention for immediate autologous stem-cell transplantation (ENDURANCE): a multicentre, open-label, phase 3, randomised, controlled trial
背景
移植非適応の新規多発性骨髄腫(MM)では、レナリドミド+デキサメタゾンへのボルテゾミブ追加(VRd療法)がRd療法を上回る有効性を示している。Mayo ClinicのKumarらは、直ちに自家幹細胞移植の適応とならない新規診断MM成人患者において、VRd療法またはKRd療法(ボルテゾミブではなくカルフィルゾミブ)を比較する第3相多施設ランダム化比較試験ENDURANCEを実施した(n=1,087)。
結論
2度目の事前指定中間解析時点で、無増悪生存期間はKRd療法群34.6ヵ月、VRd療法群34.4ヵ月であった(ハザード比1.04)。全生存期間は両群とも中央値未到達であった。治療に関連したグレード3・4の非血液学的有害事象として疲労、高血糖、末梢神経障害、呼吸困難、血栓塞栓イベントが両群でみられた。治療関連死はKRd群で11名(2%)、VRd群では2名(1%未満)で発生した。
評価
KRd療法は、VRd療法と比してPFSを改善せず治療関連死は増加した。移植非適応の新規MMでは今後もVRd療法が標準治療と見なされ、検証のステージはDRdとの比較、VRdを含んだ新たな四剤療法などへと移っていくことになろう。