50歳以上でも体重を減らすと乳がんリスクは減る:世界18万人データ
Sustained Weight Loss and Risk of Breast Cancer in Women 50 Years and Older: A Pooled Analysis of Prospective Data
背景
過体重はがんリスクとして確立されているが、体重を減らすとこのリスクを軽減できるのか。American Cancer SocietyのTerasらは、国際的コンソーシアムPooling Project of Prospective Studies of Diet and Cancerの50歳以上女性のデータから、3度の調査間の体重変化パターンと浸潤性乳がんリスクとの関連を検証した(n=180,885)。
結論
フォローアップ期間中に6,930件の浸潤性乳がんが特定された。体重が安定していた女性(±2kg)と比して、持続的な体重減少があった女性(調査1から調査2の期間に2kg以上の体重減少、調査3でリバウンドなし)では、乳がんリスクの低下が認められた。このリスク低下は、2〜4.5kg減の女性でハザード比0.82、4.5〜9kg減の女性で0.75、9kg以上減の女性では0.68と線形的であった。9kg以上体重が減少した後いくらかリバウンドした女性では、乳がんリスクが低下したが、他の体重変動パターンの場合、安定体重女性と同等の乳がんリスクであった。
評価
世界10コホートの分析から、中年期以降であっても肥満による乳がんリスクを修正できることを明らかにした。肥満による健康負荷が世界的に増大するなか、重要なメッセージを示す研究である。


