進行胃がんにレンバチニブ+ペムブロリズマブが有望:第2相EPOC1706試験
Lenvatinib plus pembrolizumab in patients with advanced gastric cancer in the first-line or second-line setting (EPOC1706): an open-label, single-arm, phase 2 trial

カテゴリー
がん
ジャーナル名
The Lancet Oncology
年月
August 2020
21
開始ページ
1057

背景

ペムブロリズマブはPD-L1陽性の進行胃がん患者において限定的な腫瘍奏効を示しているが、進行肝がん・甲状腺がんなどに用いられるマルチキナーゼ阻害薬レンバチニブによってこれを増強することは可能か。日本National Cancer Center Hospital East(国立がん研究センター東病院)のKawazoeらは、遠隔転移・再発の胃がん・胃食道接合部がん患者においてレンバチニブ+ペムブロリズマブ併用治療を行い、有効性・安全性を評価する第2相試験EPOC1706を実施した(n=29)。

結論

フォローアップ期間中央値12.6ヵ月で、29名のうち20名で客観的奏功が認められた(69%)。グレード3の治療関連有害事象として、高血圧、蛋白尿、血小板減少がみられたが、治療に関連したグレード4有害事象・重篤有害事象死亡は起こらなかった。

評価

胃がんでのペムブロリズマブは、初回治療のKEYNOTE-062試験、二次治療のKEYNOTE-061試験とも期待外れの結果に終わったが、レンバチニブとの併用で高い奏効率が示された。第3相での検証に期待がかかる。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(がん)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Journal of Clinical Oncology (JCO)、Journal of the National Cancer Institute(JNCI)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、Cancer Research (Cancer Res)