PD-L1陽性進行肺がんファーストラインでの単剤アテゾリズマブ:IMpower110試験
Atezolizumab for First-Line Treatment of PD-L1-Selected Patients with NSCLC
背景
抗PD-L1抗体アテゾリズマブは、治療歴のある進行非小細胞肺がん(NSCLC)患者で単剤活性を示している。Yale School of MedicineのHerbstらは、遠隔転移を有し化学療法歴のないPD-L1発現NSCLC患者を、アテゾリズマブまたは化学療法に割り付ける第3相国際ランダム化比較試験IMpower110を実施した(n=572)。
結論
EGFRとALKが野生型で、PD-L1高発現の患者サブグループ(n=205)における全生存期間中央値は、アテゾリズマブ群20.2ヵ月、化学療法群13.1ヵ月とアテゾリズマブ群で有意に延長した(ハザード比0.59)。有害事象はアテゾリズマブ群の90.2%、化学療法群の94.7%で発生し、グレード3・4の有害事象はそれぞれ30.1%、52.5%で発生した。
評価
KEYNOTE-024試験のペムブロリズマブ単剤も同様の成績を示しており(http://doi.org/10.1056/NEJMoa1606774)、アテゾリズマブも新たなファーストライン単剤オプションとして加わることになる。