早期トリプルネガティブ乳がん術前化学療法へのアテゾリズマブ追加:IMpassion031試験
Neoadjuvant atezolizumab in combination with sequential nab-paclitaxel and anthracycline-based chemotherapy versus placebo and chemotherapy in patients with early-stage triple-negative breast cancer (IMpassion031): a randomised, double-blind, phase 3 trial
背景
早期トリプルネガティブ乳がん(TNBC)では術前補助化学療法が選択肢となるが、免疫チェックポイント阻害薬はベネフィットをもたらすか。Brigham and Women's Cancer CenterのMittendorfらは、ステージII・IIIの未治療TNBC患者での術前補助化学療法(nabパクリタキセル12週後にドキソルビシン+シクロホスファミド8週)に、アテゾリズマブまたはプラセボを追加する第3相ランダム化比較試験IMpassion031を実施した(n=333)。
結論
病理学的完全奏効(pCR)は、アテゾリズマブ群の58%、プラセボ群の41%で認められた。PD-L1陽性患者でのpCRは、それぞれ69%、49%であった。術前期間でのグレード3〜4の有害事象は両群同等で、治療関連重篤有害事象はそれぞれ23%、16%で発生した。
評価
IMpassion130試験(http://doi.org/10.1056/NEJMoa1809615)に続いて、ネオアジュバント設定でも化学療法への上乗せ効果を示した。IMpassion130とは異なりPD-L1ステータスに関わらずベネフィットが見られており、PD-L1陰性患者での新たな選択肢となりうる。