甲状腺未分化がんでPD-1阻害が有望か
PD-1 Blockade in Anaplastic Thyroid Carcinoma
背景
甲状腺未分化がんは極めて予後が悪く、近年BRAF阻害薬+MEK阻害薬による治療が有効性を示しているものの、BRAF野生型患者での治療は重要なアンメットニーズである。スペインUniversitat Autonoma de BarcelonaのCapdevilaらは、局所進行・遠隔転移固形がん患者を対象とした抗PD-1抗体spartalizumab(PDR001)の第1/2相試験における、甲状腺未分化がん患者での有効性・安全性について報告した(n=42)。
結論
有害事象はPD-1阻害における既存の報告と一致していた。全奏効率は19%で、完全奏効が3名、部分奏効が5名であった。PD-L1陽性患者(28名/40名)では奏効率が高く(29%)、PD-L1陰性患者での奏効はみられなかった(0%)。またPD-L1≧50%の患者サブセットでは、35%で奏効がみられた。PD-L1陽性患者での1年生存率は52.1%であった。
評価
メラノーマでのCOMBI-i試験では上乗せ効果を示せなかった同薬だが、この第2相試験でPD-1阻害薬としては初めて甲状腺未分化がんでの奏効を示した。奏効患者では持続的な奏効が見られており、今後の検証に大きな期待が持たれる。