MET ex14変異・増幅肺がんにMET阻害剤capmatinib登場:第2相試験
Capmatinib in MET Exon 14-Mutated or MET-Amplified Non-Small-Cell Lung Cancer
背景
METエクソン14スキッピング変異やMET増幅変異は、非小細胞肺がん(NSCLC)の5%ほどでみられ、これらを標的とした治療法が模索されてきた。ドイツUniversity of CologneのWolfらは、MET制御異常の進行NSCLC患者をMETステータスにより複数のコホートに割り付け、MET受容体選択的阻害剤capmatinibを投与する第2相試験GEOMETRY mono-1を実施した。
結論
エクソン14スキッピング変異患者では、前治療歴1-2ラインの患者69名のうち41%で奏効(奏効持続期間9.7ヵ月)、治療歴のない患者28名のうち68%で奏効がみられた(奏効持続期間12.6ヵ月)。治療歴があり遺伝子コピー数10未満のMET増幅患者では奏効は限定的であったが(7〜12%)、遺伝子コピー数10以上のMET増幅患者では、既治療患者の29%で奏効、治療歴なし患者の40%で奏効が認められた。最も多い有害事象として末梢浮腫と悪心があったが、多くはグレード1・2であった。
評価
クリゾチニブとは違い選択的なMET阻害が可能な新薬で、エクソン14スキッピング変異患者や治療歴のないMET増幅変異患者で高い奏効を示した。併載されたテポチニブ(http://doi.org/10.1056/NEJMoa2004407)に続いて、国内でも承認された。