小児AMLの化学療法時にデクスラゾキサンで心機能保護
Effect of Dexrazoxane on Left Ventricular Systolic Function and Treatment Outcomes in Patients With Acute Myeloid Leukemia: A Report From the Children’s Oncology Group
背景
急性骨髄性白血病(AML)の治療を受ける小児患者にとって、その心臓毒性は大きな問題となる。Children’s Hospital of PhiladelphiaのGetzらは、FLT3-ITD高アリル比でない小児AML患者でのChildren's Oncology Group AAML1031試験において、主治医裁量でデクスラゾキサンの投与を受けた患者での心保護効果を検討した(n=1,014)。
結論
96名がデクスラゾキサン投与を受けていた。デクスラゾキサン投与を受けた患者では、EFとSFの低下が小さく、左室収縮障害のリスクが低かった(26.5% vs. 42.2%、ハザード比0.55)。また5年無イベント生存率(49.0% vs. 45.1%)、全生存率(65.0% vs. 61.9%)に差はなかった。治療関連死亡は、デクスラゾキサン群で少ない傾向にあった(5.7% vs. 12.7%、非有意)。
評価
日本では抗がん剤血管外漏出を適応として販売されているが、アメリカなどではアントラサイクリン系化学療法時の心機能保護のための使用が認められている。この研究ではデクスラゾキサンが生存率を悪化させることなく、心機能を保護することが示唆された。