RET変異甲状腺がんでもselpercatinib有望:LIBRETTO-001試験
Efficacy of Selpercatinib in RET-Altered Thyroid Cancers
背景
甲状腺髄様がんは甲状腺がんのうちでわずか1%ほどを占めるに過ぎないが、その大半でRET遺伝子変異がみられることが知られる。Massachusetts General HospitalのWirthらは、選択的RET阻害剤selpercatinibを検証する第1/2相試験LIBRETTO-001から、RET変異甲状腺髄様がん患者および前治療歴のあるRET融合陽性甲状腺がん患者におけるselpercatinibの有効性・安全性を報告した。
結論
バンデタニブ・カボザンチニブによる治療歴のあるRET変異患者55名における奏効率は69%であり、1年無増悪生存率は82%であった。バンデタニブ・カボザンチニブ治療歴のない88名での奏効率は73%、1年PFSは92%であった。治療歴のないRET融合陽性甲状腺がん患者19名での奏効率は79%、1年PFSは64%であった。グレード3以上の有害事象として高血圧(21%)、ALT上昇(11%)、AST上昇(9%)、低ナトリウム血症(8%)、下痢(6%)があり、531名の2%が薬剤有害事象により投与中止となった。
評価
同試験からNSCLCの結果も同時に公表されており(http://doi.org/10.1056/NEJMoa2005653)、ともにFDAの承認を受け第3相(LIBRETTO-531試験、NCT04211337)に進んでいる。