RET融合陽性肺がんにselpercatinib登場
Efficacy of Selpercatinib in RET Fusion-Positive Non-Small-Cell Lung Cancer
背景
RET融合遺伝子変異は非小細胞肺がん(NSCLC)の1〜2%にみられる。Memorial Sloan Kettering Cancer CenterのDrilonらは、プラチナ化学療法歴のあるRET変異陽性NSCLC患者における、選択的RET阻害剤selpercatinibの有効性・安全性を評価する第1/2相試験LIBRETTO-001を実施した。
結論
最初に登録された連続105名での客観的奏効率は64%であり、奏効持続期間は中央値17.5ヵ月、フォローアップ期間中央値12.1ヵ月時点で63%は奏効が持続中であった。治療歴のない39名における客観的奏効率は85%で、6ヵ月奏効持続率は90%であった。中枢神経系転移のあった11名での客観的頭蓋内奏効率は91%であった。グレード3以上の有害事象として高血圧(14%)、ALT上昇(12%)、AST上昇(10%)、低ナトリウム血症(6%)、リンパ球減少症(6%)があり、531名の2%が薬剤有害事象により投与中止となった。
評価
治療歴のあるRET陽性NSCLC患者において、高率かつ持続的な奏効と安全性を示した。併載された甲状腺がんの結果(http://doi.org/10.1056/NEJMoa2005651)とともに、RET阻害剤として初のFDA承認をもたらした。現在第3相LIBRETTO-431が進行している(NCT04194944)。