ctDNAでペムブロリズマブの効果を予測する
Personalized circulating tumor DNA analysis as a predictive biomarker in solid tumor patients treated with pembrolizumab
背景
免疫チェックポイント阻害薬はがん治療に大きな前進をもたらしたが、ベネフィットが得られるのは一部患者にとどまり、各種がんでの治療奏効を予測する普遍的なバイオマーカーはない。カナダUniversity of TorontoのBratmanらは、進行した固形がん患者において、ペムブロリズマブによる治療前・治療中・進行後に血液および腫瘍の遺伝的・免疫学的バイオマーカーの変化を測定する第2相試験を行い、血中循環腫瘍DNAと治療奏効の関連を検討した(n=94)。
結論
3サイクルごとに採集された316の血漿サンプルで、ctDNA圧政を実施した。ベースラインのctDNAレベルが中央値より低い患者では、全生存期間、無増悪生存期間が長く、臨床的ベネフィット率が高かった。また治療中のctDNAレベルがベースラインよりも低下した患者では、42%に客観的奏功がみられ、OS、PFSも優れた。治療中のctDNAクリアランスは12名で認められ、2年超のフォローアップ期間後も全員が生存していた。
評価
免疫チェックポイント阻害薬のマーカーとしてはPD-L1発現やTMBが知られているに過ぎない。本研究は、ベースラインでのctDNAレベルや治療中におけるその変化が、ペムブロリズマブの有効性と高い相関を持つことを明らかにし、バイオマーカーとしての有望性を示唆した。