非小細胞肺がんの生存率は大きく改善している:アメリカSEERレジストリ調査
The Effect of Advances in Lung-Cancer Treatment on Population Mortality
背景
近年の肺がん死亡率の低下には、喫煙率の低下と治療の進歩の双方が寄与していると考えられる。アメリカNational Cancer InstituteのHowladerらは、Surveillance, Epidemiology, and End Results(SEER)データを用い、人口レベルでのサブタイプ別肺がん死亡率を評価した。
結論
非小細胞肺がんによる死亡率は、罹患率よりも速やかに低下し、標的療法の承認が行われた期間における生存率の大きな改善と関連した。罹患ベースの死亡率は2013年から16年に、年6.3%低下した(罹患率は年3.1%の低下)。非小細胞肺がん特異的2年相対生存率は、2001年に診断を受けた男性の26%から、2014年の35%まで改善した。このパターンは女性でも認められ、すべての人種・民族で共通であった。一方で小細胞肺がんによる死亡率低下は、罹患率低下とほぼ一致し、生存率の改善は認められなかった。
評価
SEERレジストリのサブタイプ別データから、NSCLCの死亡率が分子標的薬などの登場とともに大きく低下したこと、対照的にSCLCではこうした新規治療の恩恵がほとんどなかったことを確認した。