高品質な大腸内視鏡で陰性結果なら大腸がんリスクは長期間低いまま
Long-Term Colorectal Cancer Incidence and Mortality After a Single Negative Screening Colonoscopy
背景
大腸内視鏡による大腸がん検診は複数の国際的ガイドラインで推奨されており、受診間隔は10年とされる。ポーランドMaria Sklodowska-Curie National Research Institute of OncologyのPilonisらは、50〜66歳に単回の大腸内視鏡検診で陰性であった平均リスク者における大腸がん発症・死亡の長期リスクを評価した。
結論
165,887名が最大17.4年のフォローアップを受けた。一般集団と比較して大腸がん発症率は72%低下、大腸がん死亡も81%低下した。高品質の大腸内視鏡(十分な前処置と腺腫検出率20%以上の内視鏡医による完全な検査)を受けていた場合、発症率は84%、死亡率は80%低下した。低品質な大腸内視鏡と比較して、高品質の大腸内視鏡を受けた患者の大腸がん発症ハザード比は最初5年までで0.55、5.1〜10年目で0.54、10年目以降で0.46であった。
評価
大腸内視鏡での陰性結果後には長期にわたって大腸がんリスクが低下することを確認、内視鏡検査の品質が大きな付加的価値を持つことも明らかにした。現行ガイドラインの推奨検診間隔を支持する新たなデータとなる。