COVID-19は胸部がん患者に何をもたらすか:TERAVOLTレジストリ
COVID-19 in patients with thoracic malignancies (TERAVOLT): first results of an international, registry-based, cohort study
背景
新型コロナウイルスSARS-CoV-2感染症COVID-19は、がん患者に高い死亡率をもたらすと報告されている。イタリアFondazione IRCCS Istituto Nazionale dei TumoriのGarassinoらは、COVID-19診断(RT-PCR確診例と臨床的疑い例)を受けた各種胸部がん患者の国際コホートTERAVOLTの、最初200人の予備的解析結果を報告した。
結論
2020年3月26日から4月12日に、最初の200人が8ヵ国から登録された。年齢は中央値68歳で、ECOGパフォーマンスステータスは72%が0〜1であった。81%が喫煙歴を有し、非小細胞肺がんが76%で、COVID-19診断時には74%が治療中であった。ICU入室基準を満たした134名のうち10%がICUに入室した。単変量解析では、65歳以上の年齢、喫煙歴、化学療法のみによる治療、併存疾患が死亡リスクと関連したが、多変量解析では喫煙歴のみが関連した(オッズ比3.18)。
評価
COVID-19ががん患者に与える影響を検証する国際的コラボレーションの最初の報告である。COVID-19感染がん患者の多くがICUに入室できていないこと、喫煙歴が死亡リスクとなることを明らかにした。特定の治療選択(化学療法やステロイド投与)のリスクを測る上で、今後も要注目の研究である。