後期高齢女性へマンモグラフィ意思決定支援パンフを配布すると
Effect of a Mammography Screening Decision Aid for Women 75 Years and Older: A Cluster Randomized Clinical Trial
背景
マンモグラフィ乳がん検診の有効性は高齢になるにつれ低減することが知られ、欧米のガイドラインでは75歳以上の女性では検診の利益と害について知らせることが求められている。Beth Israel Deaconess Medical CenterのSchonbergらは、乳がん・認知症のないプライマリケアの75〜89歳女性を、受診前にマンモグラフィについてのワークブックを送付する意思決定支援介入または家庭安全パンフレットの送付(対照)に割り付けるランダム化比較試験を実施した(n=546)。
結論
18ヵ月後までにマンモグラフィを受けた女性は、介入群で51.3%、対照群では60.4%と介入群で9.1%減少した(調整リスク比0.84)。介入群では受診前後でマンモグラフィ希望が大きく低下し(24.5% vs. 15.3%)、検診の利益と害により知識があり(25.5% vs. 11.7%)、プライマリケア医とマンモグラフィについての話し合いを行っていた(47.4% vs. 38.9%)。また介入群の女性のほとんどが、このワークブックを推奨した。
評価
余命が少なく乳がんリスクの低い患者では、マンモグラフィの害が利益を上回るとされる。このRCTでは、高齢女性でのワークブックによる意思決定支援介入が、マンモグラフィに対する情報、医師との話し合いをもたらし、マンモグラフィ受診希望も低下させることを示した。


