食事介入で乳がん発症・死亡を減らせる:Women’s Health Initiative試験大規模長期結果
Dietary Modification and Breast Cancer Mortality: Long-Term Follow-Up of the Women’s Health Initiative Randomized Trial
背景
脂肪摂取量と乳がんの関係については多くの観察研究が行われてきたが、結果には一貫性がない。Harbor-UCLA Medical CenterのChlebowskiらは、乳がん歴がなく脂肪摂取量が一日エネルギー量の32%以上の50〜79歳閉経後女性(n=48,835)を、脂肪摂取量を一日エネルギー量の20%まで低下させ、野菜・果物・穀物の摂取を増やす食事介入群と通常食事群に4:6で割り付けたランダム化比較試験Women’s Health Initiative Dietary Modificationの長期フォローアップ結果を報告した。
結論
中央値8.5年の介入期間中、乳がん発症率と乳がんによる死亡率は介入群で低下傾向であり(非有意)、乳がん後の死亡率は、介入期間と中央値16.1年のフォローアップ期間を通じ有意に低下した。乳がん後死亡の減少は、フォローアップ19.6年目の現在も持続しており(ハザード比0.85)、乳がんによる死亡も減少している(0.79)。
評価
低脂肪食を促進する介入により長期的な体重減少がもたらされ、乳がん後死亡の減少につながったと考えられる。5万人20年に及ぶ大規模RCTで、食事節制介入の1つのマイルストーンとなった。


