進行肝がんへのアテゾリズマブ+ベバシズマブ、ソラフェニブを超える:IMbrave150試験
Atezolizumab plus Bevacizumab in Unresectable Hepatocellular Carcinoma
背景
切除不能な肝細胞がんの一次治療としては、ソラフェニブによる分子標的治療が10年にわたり第一選択となってきた。Geffen School of Medicine at UCLAのFinnらは、全身治療歴のない切除不能肝細胞がん患者を、アテゾリズマブ+ベバシズマブまたはソラフェニブに2:1で割り付ける第3相国際ランダム化比較試験IMbrave150を実施した。
結論
ITT集団には501名が含まれた。初回解析の時点で、ソラフェニブ群と比したアテゾリズマブ+ベバシズマブ群の死亡ハザード比は0.58であった。12ヵ月生存率はアテゾリズマブ+ベバシズマブ群67.2%、ソラフェニブ群54.6%であり、無増悪生存期間はそれぞれ6.8ヵ月、4.3ヵ月であった(ハザード比0.59)。グレード3・4の有害事象はアテゾリズマブ+ベバシズマブ群の56.5%、ソラフェニブ群の55.1%で発生した。アテゾリズマブ+ベバシズマブ群で頻発したグレード3・4有害事象として、高血圧が15.2%でみられた。
評価
アテゾリズマブ・ベバシズマブの併用治療はOSで初めてソラフェニブを上回る成績を示し、副作用プロフィルも良好であった。切除不能肝がんにおける新たな標準治療となるだろう。