術前ホルモン療法はER陽性非浸潤性乳がんのオルタナティブになり得るか
Phase II Single-Arm Study of Preoperative Letrozole for Estrogen Receptor-Positive Postmenopausal Ductal Carcinoma In Situ: CALGB 40903 (Alliance)
背景
非浸潤性乳管がん(DCIS)の診断はマンモグラフィ検診の普及により増加しているが、DCISでの手術は必ずしも乳がん死亡リスクを軽減しないことが示唆されており、手術に代わる管理アプローチが検討されている。Duke UniversityのHwangらは、ER陽性DCISと診断された閉経後患者での術前治療として6ヵ月間のレトロゾールを行う第2相試験を実施した(n=79)。
結論
MRIによる腫瘍体積の中央値は、3ヵ月時点でベースラインから61.0%減少、6ヵ月後には71.7%減少した。プロトコル通り手術が行われた59名のうち、85%ではDCISが残存しており10%では浸潤がんも認められた。DCISが消失していたのは15%であった。
評価
DCISの増加は過剰診断の問題もはらんでおり、特に低リスクなDCISに対する管理最適化に向けた議論が続いている。この第2相試験では、多くの患者で腫瘍がダウンステージ、一部では完全奏効もみられ、ホルモン療法がオルタナティブとなりうることが示唆された。