有害事象中止患者での免疫療法再チャレンジ、1/4で同じ有害事象発生
Immune Checkpoint Inhibitor Rechallenge After Immune-Related Adverse Events in Patients With Cancer
背景
免疫チェックポイント阻害薬(ICI)はさまざまながんに対し大きな効果が示されているが、一部患者では免疫関連有害事象(irAE)により治療の中止を余儀なくされる。フランスCentre Hospitalier Universitaire de Caen NormandieのDolladilleらは、WHOの医薬品安全性監視データベースVigiBaseの安全性レポートを基にしたコホート研究を実施し、irAEによりICI治療が中止されたがん患者でのICI再チャレンジにおけるirAE再発率を調査した。
結論
24,079例のirAEが特定された。ICI再チャレンジに関連したirAEは6,123例で、うち再発などの情報が利用可能なものは452例(7.4%)であった。初回ICI治療時のirAEの再発は28.8%であり、大腸炎(報告オッズ比1.77)、肝炎(3.38)、肺炎(2.26)は再発率が高かった。副腎有害事象では再発率が低かった(0.33)。
評価
WHOデータベースを用いたこのテーマでは最大の研究となる。特にAEタイプ別の再発リスクデータは貴重で、ICI再チャレンジ時の薬剤選択にヒントを与えた。次のステップはICI再チャレンジの有効性を検討することである。