ctDNAでHPV関連頭頸部がんの再発を監視する
Plasma Circulating Tumor HPV DNA for the Surveillance of Cancer Recurrence in HPV-Associated Oropharyngeal Cancer
背景
世界的に増加しているヒトパピローマウイルス(HPV)関連中咽頭扁平上皮がん(OPSCC)は、治療に対する反応が良いとされているが、再発を経験する患者もいる。University of North CarolinaのCheraらは、転移のないp16陽性OPSCC患者(n=115)を対象とした前向研究において、治療前・化学放射線療法中・治療後フォローアップ時に血液サンプルを採取し、血中循環腫瘍HPV DNA(ctHPVDNA)が再発を予測できるか検討した。
結論
1,006の血液サンプルが分析された。フォローアップ期間中央値23ヵ月で、13%(15名)の患者が再発した。治療後にctHPVDNAが検出されなかった患者87名では再発はなかった(陰性的中率100%)。フォローアップ中にctHPVDNAが陽性となった28名のうち、15名で生検により再発が確認された。またこの15名は全員、2回連続でctHPVDNA陽性となった16名に含まれた(陽性的中率94%)。ctHPVDNA陽性から生検による再発診断までのリードタイムは、中央値3.9ヵ月であった。
評価
HPV関連OPSCCは治療後5年ほどは再発リスクがあり、定期的な検査が推奨されているが、こうした検査で再発が検出されることはほとんどないとされる(http://doi.org/10.1001/jamaoto.2019.1934)。本研究におけるctHPVDNAによるリキッドバイオプシーは、陰性的中率・陽性的中率とも非常に良好で、サーベイランス戦略最適化に力を発揮するだろう。