レナリドミドはくすぶり型多発性骨髄腫の進行を遅らせる:E3A06試験
Randomized Trial of Lenalidomide Versus Observation in Smoldering Multiple Myeloma
背景
くすぶり型多発性骨髄腫(SMM)は症候性多発性骨髄腫の前段階であり、標準的には治療は行わず経過観察とされてきた。Emory UniversityのLonialらは、中・高リスクSMM患者において、レナリドミド単剤と経過観察を比較するランダム化比較試験を実施した(n=182)。
結論
フォローアップ期間中央値35ヵ月であった。治療奏効はレナリドミド群の50%でみられた。無増悪生存期間はレナリドミド群で有意に延長した(ハザード比0.28)。1年PFSはレナリドミド群98%、観察群89%、2年PFSは各93%、76%、3年PFSは91%、66%であった。死亡はレナリドミド群で2名、観察群で4名報告された(ハザード比0.46、非有意)。グレード3・4の非血液学的有害事象は、レナリドミド群の28%で生じた。
評価
スペイングループが先に、高リスクSMM患者においてレナリドミド+ステロイドのPFS効果、OS効果を示しているが(http://doi.org/10.1056/NEJMoa1300439)、本試験はSMMでは過去最大となるRCTで、この知見を一般化した。中・高リスクSMMにおける新たな標準治療となりうる。