mCRPCでのオラパリブ、第3相でもPFSを延長:PROfound試験
Olaparib for Metastatic Castration-Resistant Prostate Cancer
背景
PARP阻害薬オラパリブは、DNA修復異常のある転移去勢抵抗性前立腺がん(mCRPC)における有効性が示唆されている。Royal Marsden Hospitalのde Bonoらは、新規ホルモン薬治療後に進行のみられた、相同組換え修復遺伝子(HRR)変異を伴うmCRPC男性を、BRCA1・BRCA2・ATMのいずれかに変異のあるコホートA(n=245)と、他12の指定遺伝子に変異を有するコホートB(n=142)に分け、オラパリブまたは主治医選択ホルモン治療に2:1で割り付ける第3相ランダム化比較試験PROfoundを実施した。
結論
コホートAにおける無増悪生存期間の中央値はオラパリブ群7.4ヵ月、対照群3.6ヵ月と、オラパリブ群で有意に延長し(ハザード比0.34)、客観的奏効率や疼痛性進行までの期間についてもベネフィットがみられた。全生存期間は18.5ヵ月、15.1ヵ月であったが、対照群の81%はオラパリブ投与にクロスオーバーしていた。コホートAとコホートBを合わせた全集団でも、オラパリブ群の無増悪生存期間効果が確認された。
評価
本試験でスクリーニングされたmCRPC患者の3割ほどでHRR変異がみられ、これらの患者における新たな選択肢となるだろう。オラパリブをファーストラインで使用する試みも始まっているほか、rucaparibなども第2相有効性を示している。