ステロイド抵抗性の急性GVHDにルキソリチニブ:REACH2試験
Ruxolitinib for Glucocorticoid-Refractory Acute Graft-versus-Host Disease
背景
急性移植片対宿主病(GVHD)は同種幹細胞移植における大きな問題で、特にグルココルチコイド抵抗性急性GVHDに対する治療の効果は限定的である。ドイツUniversity of FreiburgのZeiserらは、同種幹細胞移植後にステロイド抵抗性急性GVHDを発症した患者(12歳以上)において、JAK1・JAK2選択的阻害剤ルキソリチニブまたは主治医選択治療を割り付ける第3相多施設ランダム化比較試験REACH2を実施した(n=309)。
結論
28日時点での全奏効率はルキソリチニブ群62%、対照群39%であった(オッズ比2.64)。56日目までの持続的全奏効率(40 vs. 22%、オッズ比2.38)、無再発生存期間(5.0ヵ月 vs. 1.0ヵ月、ハザード比0.46)もラキシリチニブ群で優った。全生存期間はルキソリチニブ群11.1ヵ月、対照群6.5ヵ月であった(ハザード比0.83)。
評価
確立された標準治療のないステロイド抵抗性GVHDにおいて既存のオプションを上回る成績を示し、新たな標準治療となることが見込まれる。ちなみに同薬はCOVID-19に対しても検証が行われている。