CLLファーストラインに第二世代BTK阻害薬Acalabrutinib:ELEVATE TN試験
Acalabrutinib with or without obinutuzumab versus chlorambucil and obinutuzmab for treatment-naive chronic lymphocytic leukaemia (ELEVATE TN): a randomised, controlled, phase 3 trial

カテゴリー
がん
ジャーナル名
The Lancet
年月
April 2020
395
開始ページ
1278

背景

Acalabrutinibは、より選択の高い第二世代のBTK阻害薬であり、慢性リンパ性白血病(CLL)への活性を示している。Willamette Valley Cancer InstituteのSharmanらは、世界18ヵ国の未治療CLL患者を、acalabrutinib+オビヌツズマブ、acalabrutinib単独、オビヌツズマブ+経口chlorambucilの3群に1:1:1で割り付ける第3相ランダム化比較試験ELEVATE TNを実施した(n=535)。

結論

フォローアップ期間中央値28.3ヵ月での無増悪生存期間は、acalabrutinib+オビヌツズマブ群は中央値未達(ハザード比0.1)、acalabrutinib単独群中央値未達(0.2)、オビヌツズマブ群22.6ヵ月であった。24ヵ月無増悪生存率は、それぞれ93%、87%、47%と推定された。グレード3以上の有害事象として、オビヌツズマブ使用群で好中球減少症が多くみられた。グレード3以上の感染症はacalabrutinib+オビヌツズマブ群21%、acalabrutinib群14%、オビヌツズマブ群8%であった。死亡はそれぞれ4%、7%、9%で発生した。

評価

オビヌツズマブとの併用および単剤の双方で、再発イベントの大きな低下が示され、FDA承認はすべてのCLL患者に拡大された。第一世代イブルチニブとの直接比較として、再発・難治CLLでの臨床試験が進行している。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(がん)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Journal of Clinical Oncology (JCO)、Journal of the National Cancer Institute(JNCI)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、Cancer Research (Cancer Res)