週2.5〜5時間の運動ががんリスクを減らす:75万人のデータで確認
Amount and Intensity of Leisure-Time Physical Activity and Lower Cancer Risk
背景
身体活動はがんのリスクを低下させる効果があると考えられているが、予防に必要な運動量については十分明らかではない。アメリカNational Cancer InstituteのMatthewsらは、余暇時間の身体活動量の自己報告とフォローアップ中のがん発症データを有する欧米豪9つの前向コホート(N=755,459)において、身体活動量と15種のがん発症の関連を調査した。
結論
フォローアップ期間10.1年で、50,620名ががんを発症した。推奨活動量(週7.5〜15MET/時間)は、大腸がん(男性で8〜14%)、乳がん(6〜10%)、子宮体がん(10〜18%)、腎がん(11〜17%)、骨髄腫(14〜19%)、肝がん(18〜27%)、非ホジキンリンパ腫(女性で11〜18%)のリスク低下と関連した。これらの関連の約半数が線形的であった。運動強度とリスク低下との関連は癌腫ごとに様々で、一部がんでは高強度運動(6MET以上)で予防効果が失われた。
評価
現在国際的に推奨されている運動量ががん予防に効果的であることを、大規模データで定量的に確認した。日本でも厚生労働省が、3MET以上の運動を週23MET行うことを推奨している。