前立腺がん生検診断・分類用AIが登場
Artificial intelligence for diagnosis and grading of prostate cancer in biopsies: a population-based, diagnostic study
背景
医用人工知能(AI)がつぎつぎと登場しているが、前立腺がん診断を補助するAIも登場した。スウェーデンKarolinska InstitutetのStromらは、同国STHLM3研究および研究外からの1,200人超の前立腺針生検スライドを用いて、悪性腫瘍の存在・範囲・Gleason分類を予測するディープニューラルネットワークを訓練、他のデータセットを用いこれを外部検証、さらに経験を積んだ泌尿尿器病理学医(n=23)とパフォーマンス比較した。
結論
独立データセットの検証では、AIは良性コアと悪性コアをAUC:0.997の精度で識別、外部検証データセットでも0.986であった。Cancer lengthの予測は、病理学医の報告とよく相関した(独立データセット0.96、外部データセット0.87)。Gleason分類に関して、AIの平均κ係数は0.62であり、経験を積んだ病理学医(0.60〜0.73)と同等であった。
評価
併載されたオランダからの論文も、病理学医に匹敵するGleason分類システムを開発している(https://doi.org/10.1016/S1470-2045(19)30739-9)。診断プロセスを補助し、グレーディングの標準化に資すると期待されるが、医療システムへの実装前に、前向の臨床試験で検証される必要がある。


