乳がん術後のリンパ浮腫にロボット支援手術が登場
First-in-human robotic supermicrosurgery using a dedicated microsurgical robot for treating breast cancer-related lymphedema: a randomized pilot trial
背景
早期乳がん患者の多くが術後のリンパ浮腫に苦しむが、リンパ管静脈吻合術(LVA)などの外科的治療には高度な技量が必要とされる。オランダMaastricht University のvan Mulkenらは、乳がん関連リンパ浮腫女性(n=20)を、supermicrosurgeryリンパ管再建術のために開発されたロボット支援システム(MUSA)を用いたLVA、または通常のLVAに割り付けるランダム化パイロット研究を実施した。
結論
ロボット支援LVA群のうち2名が、技術的問題から通常のLVAを受けた。顕微外科医による各吻合部の評価は、通常LVA群で高かった。吻合一ヵ所あたりに要した時間の平均はロボットLVA群で長かったが、ロボットLVA群の吻合時間は徐々に短縮した。術中の患者の利便性、術者の満足度に差はなかった。1ヵ月・3ヵ月時点でのLymph-ICFスコアにも有意な差はなかった。
評価
術者の慣れの問題もあってか、ロボット支援群の方が吻合に時間を要したものの、ロボット支援LVAが臨床的にフィジブルであることを実証した。ロボットにより個人的技量を補うことが可能となれば、より多くの患者にLVAオプションがもたらされると期待できる。