抗PD-1治療後の進行、再び抗PD-1治療しても奏効は稀
Long-Term Outcomes and Responses to Retreatment in Patients With Melanoma Treated With PD-1 Blockade
背景
抗PD-1阻害薬による悪性黒色腫治療ではかなりの割合で完全奏効が見込めるが、完全奏効後に治療を継続する必要はあるか、また治療中止後に進行した患者で再度の抗PD-1阻害は有効か。Memorial Sloan Kettering Cancer CenterのBetof Warnerらは、同施設で単剤による抗PD-1阻害治療を受けた切除不能悪性黒色腫患者で、治療中止後の長期アウトカムおよび再発患者での抗PD-1治療の有効性を調査した(n=396)。
結論
完全寛解は25.8%で認められた。治療中止までの期間は中央値0ヵ月(完全寛解とともに治療中止)であった。治療中止後に再発しなかった完全寛解患者での3年無治療生存率は72.1%、全生存率は82.7%であった。治療期間と再発リスクに関連はなかった。進行後に再治療を行った78名のうち、抗PD-1単剤治療を行った患者では5名/34名で奏効、抗PD-1+イピリムマブ治療を受けた11名/44名で奏効が認められた。
評価
完全奏効患者の大半で治療が中止され、3年後まで無治療のまま生存していた。ただしニボルマブの場合、CheckMate-153試験の結果から長期の治療継続が有益とされている。また本研究は、抗PD-1治療中止後進行患者での再治療について過去最大のリアルワールドデータをもたらすもので、再治療での奏効は初回治療よりも稀であることに加え、再治療での奏効が初回奏効の大きさと関連しないことを明らかにした。


