牛乳は乳がんリスクか
Dairy, soy, and risk of breast cancer: those confounded milks
背景
牛乳は健康によいと考えられているが、乳がんリスクを増すとする報告もある。Loma Linda UniversityのFraserらは、北米アドベンチスト教会信者のコホートAHS-2の非がん女性(n=52,795)において、質問表調査および一部被験者での24時間想起調査にもとづく大豆製品・乳製品摂取量と浸潤性乳がんとの関連を評価した。
結論
7.9年のフォローアップ期間中に1,057名が乳がんを新規発症した。大豆製品と乳がんとの間に明確な関連はなかった。一方で、乳製品カロリー摂取量、牛乳の摂取量は乳がんと関連した(10パーセンタイルに対する90パーセンタイルのハザード比が各1.22、1.50)。関連は無調整牛乳と低脂肪牛乳で同様に認められた。チーズ・ヨーグルトでは関連はなかった。
評価
牛乳に含まれる各種栄養素が保護的であると考えられてきたが、AHS-2コホートでの本調査では、牛乳摂取は乳がんリスクの増加と関連した。エストロゲン・プロゲステロンとIGF-1が媒介すると想定されている。最近NEJM誌に掲載されたレビューも牛乳と健康とのポジティブな関連に疑問を呈しており、包括的な再評価が必要だろう。