高齢がん患者の機能評価でコミュニケーションを改善する:COACH試験
Communication With Older Patients With Cancer Using Geriatric Assessment: A Cluster-Randomized Clinical Trial From the National Cancer Institute Community Oncology Research Program

カテゴリー
がん
ジャーナル名
JAMA Oncology
年月
November 2020
6
開始ページ
196

背景

高齢のがん患者では、治療により高齢者特有のコンディションが悪化する懸念があるが、こうした問題に関する患者と腫瘍科医のコミュニケーションは十分ではないとされる。University of RochesterのMohileらは、同大研究プログラムの31診療所のがん患者(n=541)において、8ドメインからなる高齢者機能評価(GA)の実施と患者個別のGA結果要約・推奨の提示、または通常ケア(うつ病・認知障害についてのアラートのみ)を割り付けるクラスターランダム化比較試験を実施した。

結論

高齢関連懸念についてのコミュニケーション満足度(修正Health Care Climate Questionnaireスコア)は、介入群の患者で高かった(平均差1.09ポイント)。介入群の満足度スコアは、6ヵ月後にも高いままであった(1.10ポイント)。介入群の受診中には高齢関連の会話が多く(差3.59回)、介護者の受診後満足度も高かった(1.05ポイント)。

評価

高齢患者の機能状態とそのニーズを把握することで、より個別的な話し合いがもたらされ、患者満足度を高めることができた。治療選択への影響も今後調査されていくだろう。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(がん)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Journal of Clinical Oncology (JCO)、Journal of the National Cancer Institute(JNCI)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、Cancer Research (Cancer Res)