高齢がん患者の機能評価でコミュニケーションを改善する:COACH試験
Communication With Older Patients With Cancer Using Geriatric Assessment: A Cluster-Randomized Clinical Trial From the National Cancer Institute Community Oncology Research Program
背景
高齢のがん患者では、治療により高齢者特有のコンディションが悪化する懸念があるが、こうした問題に関する患者と腫瘍科医のコミュニケーションは十分ではないとされる。University of RochesterのMohileらは、同大研究プログラムの31診療所のがん患者(n=541)において、8ドメインからなる高齢者機能評価(GA)の実施と患者個別のGA結果要約・推奨の提示、または通常ケア(うつ病・認知障害についてのアラートのみ)を割り付けるクラスターランダム化比較試験を実施した。
結論
高齢関連懸念についてのコミュニケーション満足度(修正Health Care Climate Questionnaireスコア)は、介入群の患者で高かった(平均差1.09ポイント)。介入群の満足度スコアは、6ヵ月後にも高いままであった(1.10ポイント)。介入群の受診中には高齢関連の会話が多く(差3.59回)、介護者の受診後満足度も高かった(1.05ポイント)。
評価
高齢患者の機能状態とそのニーズを把握することで、より個別的な話し合いがもたらされ、患者満足度を高めることができた。治療選択への影響も今後調査されていくだろう。


