BRCA陽性乳がんに術前PARP阻害が有望
Neoadjuvant Talazoparib for Patients With Operable Breast Cancer With a Germline BRCA Pathogenic Variant
背景
BRCA陽性乳がんへのPARP阻害薬としては、オラパリブ、talazoparibが進行乳がんでの有効性を示している。University of Texas MD Anderson Cancer CenterのLittonらは、生殖細胞系列BRCA変異を有する切除可能乳がん患者(n=20)に対し、6ヵ月の術前talazoparibを行い病理学的奏効を評価した。
結論
15名がトリプルネガティブ乳がんであり、5人がHR陽性であった。ステージIが5名、IIが12名、IIIが3名であった。術前の残存がん病変0(RCB-0、病理学的完全奏効)率は53%、RCB-0/I率は63%であった。有害事象として、8名で輸血が必要なグレード3貧血、3名はグレード3好中球減少症、1名はグレード4血小板減少症があった。
評価
BRCA乳がんの術前セッティングで、化学療法によらず完全奏効を達成しうることを示し、第2相試験(NCT03499353)へと進んだ。ほかにも、早期乳がんの術前・術後でPARP阻害薬を検証する試験が、複数進行している。