BRCA陽性乳がんに術前PARP阻害が有望
Neoadjuvant Talazoparib for Patients With Operable Breast Cancer With a Germline BRCA Pathogenic Variant

カテゴリー
がん
ジャーナル名
Journal of Clinical Oncology
年月
February 2020
38
開始ページ
388

背景

BRCA陽性乳がんへのPARP阻害薬としては、オラパリブ、talazoparibが進行乳がんでの有効性を示している。University of Texas MD Anderson Cancer CenterのLittonらは、生殖細胞系列BRCA変異を有する切除可能乳がん患者(n=20)に対し、6ヵ月の術前talazoparibを行い病理学的奏効を評価した。

結論

15名がトリプルネガティブ乳がんであり、5人がHR陽性であった。ステージIが5名、IIが12名、IIIが3名であった。術前の残存がん病変0(RCB-0、病理学的完全奏効)率は53%、RCB-0/I率は63%であった。有害事象として、8名で輸血が必要なグレード3貧血、3名はグレード3好中球減少症、1名はグレード4血小板減少症があった。

評価

BRCA乳がんの術前セッティングで、化学療法によらず完全奏効を達成しうることを示し、第2相試験(NCT03499353)へと進んだ。ほかにも、早期乳がんの術前・術後でPARP阻害薬を検証する試験が、複数進行している。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(がん)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Journal of Clinical Oncology (JCO)、Journal of the National Cancer Institute(JNCI)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、Cancer Research (Cancer Res)