食物繊維・ヨーグルトは肺がんリスクの低下と関連:世界144万人のデータから
Association of Dietary Fiber and Yogurt Consumption With Lung Cancer Risk: A Pooled Analysis
背景
プレバイオティクス・プロバイオティクスは、腸内細菌叢の修飾や抗炎症作用などにより、各種疾患やがんを抑制する可能性が示唆されている。Vanderbilt UniversityのYangらは、アメリカ・ヨーロッパ・アジアの前向コホート10件のデータから、食物繊維およびヨーグルトの摂取量と肺がん発症との関連を検証した。
結論
男性627,988名、女性817,862名が含まれた。中央値8.6年のフォローアップ期間中に、18,822件の肺がん発症が記録された。喫煙歴や他の因子を調整後、食物繊維・ヨーグルトとも摂取量と肺がんリスクの逆相関が見られた。食物繊維摂取量の最大五分位と最小五分位のハザード比は0.83、ヨーグルトでは0.81であった。関連は喫煙未経験者で有意であった。食物繊維とヨーグルトをともに多く摂取している場合、より大きなリスク低下がみられた(ハザード比0.67)。
評価
プレバイオティクス・プロバイオティクスは、特に消化器がんとの関連で検証が進んでいるが、大規模なコホート統合研究により、食物繊維・ヨーグルトとも肺がんリスクの低下と関連すること、両者の相乗効果もみられることを初めて示した。

