腎盂尿管がんでの術後プラチナ化学療法でDFSを改善:POUT試験
Adjuvant chemotherapy in upper tract urothelial carcinoma (the POUT trial): a phase 3, open-label, randomised controlled trial
背景
腎盂・尿管(上部尿路)がんは、膀胱がんなどより稀で予後も不良であり、術後補助化学療法の有効性も確立されていない。イギリスRoyal Preston HospitalのBirtleらは、腎尿管摘除術を受けた腎盂尿管がん患者を、サーベイランスまたは4サイクルの化学療法(ゲムシタビンに加えてシスプラチンまたはカルボプラチン)に割り付ける第3相多施設ランダム化比較試験を実施した(n=261)。
結論
フォローアップ期間中央値30.3ヵ月で、術後補助化学療法は無病生存率を有意に改善した(ハザード比0.45)。3年無イベント生存率は化学療法群71%、サーベイランス群46%であった。化学療法群の44%で、グレード3以上の治療関連有害事象が報告された。治療関連死はなかった。
評価
進行膀胱がん周術期ではGC療法などが標準治療となっているが、腎盂尿管がんではエビデンスが欠けていた。本試験でプラチナベース化学療法は再発リスクを半減させ、腎盂尿管がんでも標準治療となりうる。