ビタミンD欠乏はホジキンリンパ腫でも病勢進行・死亡と関連
Pretreatment Vitamin D Deficiency Is Associated With Impaired Progression-Free and Overall Survival in Hodgkin Lymphoma
背景
ビタミンDの欠乏は多くの癌腫において発症・死亡リスクと考えられており、ビタミンD補充の意義も検証が進められている。ドイツUniversity of CologneのBorchmannらは、German Hodgkin Study Groupの臨床試験に登録されたホジキンリンパ腫患者で、治療前のビタミンDと臨床アウトカムの関連を前向に検証した(n=351)。
結論
化学療法開始前の時点で、50%の患者がビタミンD欠乏(< 30 nmol/L)であった。再発・難治患者ではビタミンD欠乏が一般的であった。ビタミンD欠乏は、無増悪生存率(ハザード比2.13)および全生存率(1.82)の低下と関連した。ホジキンリンパ腫の培養細胞株へのビタミンD補充は、化学療法との併用による抗腫瘍増殖能の増大を示し、ホジキンリンパ腫異種移植モデルでも、化学療法感受性を増大させた。
評価
臨床試験での症例対照研究と基礎的研究を通じ、ホジキンリンパ腫の治療過程にビタミンDが果たす役割を明らかにした。消化器がんでのAMATERASU試験やSUNSHINE試験がビタミンD補充の有効性を示唆しており、ホジキンリンパ腫においてもRCTによる検証が行われるだろう。


