早期乳がんでのデノスマブは骨転移を抑制しない:D-CARE試験
Adjuvant denosumab in early breast cancer (D-CARE): an international, multicentre, randomised, controlled, phase 3 trial
背景
デノスマブは骨転移を有するがん患者で骨関連イベントを抑制するが、骨転移の予防にも効果を持つとする示唆がある。イギリスUniversity of SheffieldのColemanらは、高リスクな早期乳がん患者において、術前ないし術後補助化学療法と同時にデノスマブまたはプラセボを投与する第3相多国籍ランダム化比較試験D-CAREを実施した(n=4,509)。
結論
全患者で5年間のフォローアップが完了した時点で一次解析が行われた。骨転移なき生存率は、両群とも中央値未達で群間差はなかった(ハザード比0.97)。顎骨壊死はデノスマブ群5%、プラセボ群1%未満であった。
評価
前立腺がんではデノスマブにより骨転移を予防するとしたRCTがあり(https://doi.org/10.1016/S0140-6736(11)61226-9)、ABCSG-18試験の二次解析でもDFS改善効果が示されていた(https://doi.org/10.1016/S1470-2045(18)30862-3)が、本試験では骨転移予防効果はみられなかった。